「ブロックチェーン業界はFacebookに感謝すべき」―Digital Asset CEO
昨年、シリーズCラウンドにて3500万ドルを調達したDigital Asset HoldingsのCEO・Yuval Rooz氏がBloombergへ出演。
同社の取組みとFacebookへの見解について語った。
ブロックチェーンがコアシステムに実装されるのは時間がかかるが、今年はその製品製作が進む。
懐疑的な人たちにブロックチェーン技術について考えるきっかけを与えたFacebookには業界全体が感謝すべき。
“Blockchain Industry Should Thank Facebook, Says Digital Asset CEO” from Bloomberg
<動画翻訳>
Paul:Yuval、まずSamsungやSalesforceも参入した最新の資金調達ラウンドについて話しましょう。
あなたはその資金を何に使うつもりですか?
Yuval:活動領域の拡大に使いたいと考えています。
また、この数年で私たちが築いてきたものを用いて開発者ツールをいくつか増やす、そして顧客の野望達成をこのテクノロジーで助けたいと考えています。
Paul:あなた方の顧客やパートナーにはVMware、Amazon、Hyper Ledgerといった有名企業がいますね。
あなたの取組みの目的についてもう少し教えてくれますか?
Yuval:ええ。
この業界がここ数年で前進するにつれ我々が見てきたことは、クラウドの初期に非常に似ていると思います。
ブロックチェーンのテックスタックはどんどん成熟しています。
そして VMwareやMicrosoft、Amazonのような組織もこの領域に参入し、サービスを提示し始めました。
我々は、ソリューションの発展を助ける「顧客」と、VMwareやHyperledger、Microsoftのような「パートナー」の双方を持っています。
パートナーと協力し、我々の専門知識と彼らの専門知識を持ち寄せることで、顧客へプロジェクトを届けられるようにしています。
Emily:ブロックチェーンに関する誇大広告はみんながたくさん見て、聞いてきました。
あなたのような人や他の人たちが褒めちぎっているこのテクノロジーの明るい兆しを、私たちが本当に見られるのはいつだと思いますか?1~5年後でしょうか?
Yuval:そうですね。
今年にでもいくつかのプロジェクトが始まると思います
Broadridgeは、ブロックチェーンを使って米国債現先取引の方法を再形成すると最近発表しました。
ヘルスケア分野といった別の産業では他のプロジェクトがどんどん製品化に近付いていくでしょう。
結局のところ、このテクノロジーはとても侵略的です。
たくさんの誇大広告があったと思いますが、こういった非常に侵略的なテクノロジーをコアシステムの中へ実装するには最終的には時間がかかるでしょう。
でも私は今年にでもこういった製作段階のプロジェクトが現れ始めると思います。
Emily:昨年FacebookのLibraは大きな騒ぎとなりました。
いくつかの最大組織が脱退するのも目撃しましたね。
現段階で、あなたはこの議論からFacebookを外しますか?
Yuval:まず第一に、私はFacebookの尽力にこの業界全体が感謝すべきだと思います。
なぜなら、懐疑的だった人々は考えさせられたと思うからです。
そしてそれは良いことです。
なぜならいずれこのテクノロジーは起こるものですし、次世代のテクノロジーを形作るだろうからです。
そういった意味で、私はこの業界はたくさんの謝意をFacebookへ伝えなければならないと思います。
資本市場とお金の話になると規制者らは非常に心配になるようですし、業界と規制者の協力に関してはもっと上手くやれたのではないかと思います。
これは我々も全てのプロジェクトで非常に肝に銘じていることです。
既存の規制フレームワークの中で規制者らと協力し、もし変化を起こす必要があるならそれについて彼らに働きかけます。
でもFacebookとLibraは規制者らを驚かせたと思いますし、だからこそFacebookへの反感がたくさん生まれたのだと思います。