「中国のデジタル通貨への取り組みに驚きはない」―スイス連邦財務省重役がコメント
2019年11月11日~13日にシンガポールで開催されたフィンテックフェスティバルに、スイスの連邦財務省国際金融問題局局長Daniela Stoffel氏が出席。
CNBCの取材を受け、中国のデジタル通貨への取り組みや、スイス国内での動きについてコメントを述べた。
- 中国のデジタル通貨への取り組みは驚くべきことではなく、他にも取り組んでいる国はある。
- スイスが同様に行っていけるかは“大きな挑戦”。
- 既にスイスではブロックチェーンへの適応化が始まっている。マネーロンダリングへの対処を並行して行うことで、スイス国内のスタートアップにも力を貸すことができる。
“No surprise China is working on its own digital currency” from CNBC
<動画翻訳>
Daniela:まず、それは全く驚きではありません。それに取り組んでいるのは中国だけではありません。
ブロックチェーンは私たちに多くのチャンスを与えてくれる技術ですから、もっと多くの通貨があったっていいぐらいです。
私たちも規制に基づき、国家に役立つような通貨を作っていけるかは、大きな挑戦となるでしょう。
インタビュアー:中国が2020年始めにデジタル通貨を発行すれば、諸外国のプレッシャーとなり、「よし、中国が行動開始したのだから我々もこの流れに乗らなければ」と言わせられるのでしょうか?
Daniela:そうですね、プレッシャーは今までもありました。
もし今政府が、これが実際に起きていることであり、全ての通貨に示された疑問や挑戦が現実のものだと気付くなら、それが世界規模の決定をさらに勢いづけてほしいと私は思います。
インタビュアー:その点について、スイスでは何かなされていますか?
Daniela:ブロックチェーンに関して、私たちは素晴らしい法的フレームワークを持っています。
現在、国内での適応を進めており、来年には国会で可決されるでしょう。
それによって私たちは非常に大きなアドバンテージを得ることができます。
例えば、トークン化された資産取引を全てのバリューチェーンと並行して行えるよう、現在我々の証券取引所は中央銀行と協働し、その選択肢を拡大しようとしています。これはスイスにとってとても良いことです。
一方で、もちろん大変でもあります。
私たちは、スイスに存在する全てのマネーロンダリングの疑問が確実に対処されることを明確にしなければなりません。
これは私たちの監督庁の課題であり、遂行されるべきことです。
そしてそれによって、この領域のスタートアップに何が必要で、何が可能で不可能かを伝えることができ、彼らに力を貸すことができるのです。