2018年、Ethereumの考案者Vitalik Buterin氏はデジタルメディア「VICE」のインタビューに答え、自身のEthereumブロックチェーンが世界にもたらす影響を語っていた。

 

カナダでロシア人の両親に育てられたVitalik Buterinは、ブロックチェーンムーブメント最大の有名人だ。
彼はたった21歳の時にEthereumブロックチェーンを作った。

そしてその仮想通貨であるEtherはBitcoinに次ぐ2番目のコインとなり、その時価総額は2017年に10000％以上増加した。
Vitalikは現在、金融業と政府に対するEthereumの認知度と潜在的意義が高まるよう、世界的なキャンペーンを行っている。
私たちは、ロシアで彼と情報交換をした。

ロシア政府はEthereumが国内金融にも斬新な風を吹かせることを望んでいる。

Vitalik：僕がBitcoinについて初めて聞いたのはたしか2011年の2月だ。
最終的に僕はある男性と知り合ったんだ。
彼は僕が彼のBitcoinブログで1記事書くごとに喜んで5BTCを払ってくれた。

Michael：その時のBitcoinの価値は？

Vitalik：1BTC=0.8ドルだった。

Michael：1記事0.8ドル×5BTCか。今なら1記事5000ドルとかになるだろうね？

Vitalik：そうだね。
お金の無い高校生だったから、僕は1時間に1.5ドルはまあまあ悪くない賃金だと思ったんだ。

Michael：君には良い取引だったわけだ。

Vitalik：ああ、本当に。「1.5ドル稼ぐぞ！」ってね。
僕は20BTCを稼いで、そのうち8.5BTCを1枚のTシャツに使った。
それでその時思ったんだ。「クールだ！本当に機能してる！」
本当に衝撃的だったのは、人々が協力して全く新しい金融システムを作り出せるんだということ。
すごく力づけられたよ。

Michael：君が金融システムの再構築について話すのを聞いていると、理想郷の話を聞いているようだ。
古いものを全て取り払い、ゼロから新しいものを作るってね。

Vitalik：それは違うよ。
何もかもを覆すとかいう話ではなくて、むしろ、以前は金融業などの人達にしかできなくて、彼らなしではできなかったことを現在は僕らもできるようになっただけ。
そして今ではお金というのはコミュニティの中でいつでも作ることができるものだと明らかになった。

僕たちは分散型ネットワークというものが何か知ってる。
あなたもBitTorrentや様々な分散型メッセージシステム、ファイルシェアリングネットワークを聞いたことがあるよね。
そこに「なんだ、なんでも分散型の方法でできるんじゃん。じゃあなんで分散型のお金はできないの？」って気付いた若者たちがいたんだ。

例えば、僕が分散型ネットワークを使ってあなたにとある曲を送りたいとする。
僕が送って、終わりだ。僕も曲を持ってるし、あなたも曲を持ってる、
でもお金は根本的に違う。なぜならお金はメモリの概念を必要とするからだ。
僕が100デジタルドルを持っていて、あなたに送る。
そして全く同じように見えるトランザクションを新たに作る。

唯一違うのは、僕がそれぞれ違う人に送っているという点だ。
僕は同時に2つのトランザクションを発行したんだ。
もちろんそれら取引はどちらも成功し得ない。
だから、僕が最初のトランザクションを送った後にシステムが「僕にはもうそのお金が無い」と理解できるよう、「僕があなたに100ドルを送った」という事実を保持する何らかのメカニズムが必要なんだ。
そうすることで2番目のトランザクションは失敗する。

Michael：「世界が変わる」と人々が信じるほど、その技術が斬新な理由を説明してほしい。

Vitalik：なぜなら、それは僕たちの人との関わり方における画期的な変化を表しているからさ。
Bitcoinがあれば、送金するのに銀行は必要ない。
もはやそれはただのP2Pで直接行われるようになる。
そしてEthereumはそれを拡張することでデジタルで実施可能な契約を作っているんだ。

Michael：それは業界全体を変えるんじゃないのかい？

Vitalik：まだ変えてない。でもすぐそうなるだろうね。

Michael：自分を“世界の破壊者”のように感じるかい？
だって、それをすることで本質的にいくつもの仕事を消すことができるだろ？

Vitalik：“仕事の破壊者”であり、“より良いものの創造者”だね。

Michael：素晴らしいことをしてるんだもんな。